「21世紀で最もセクシーな職業」と言われる、データサイエンティスト。
私は社内初のデータサイエンティストとなることにしました。
実際におこなった学習や仕事のやり方について今後発信していく予定です。失敗や苦難が待ち受けていると思いますが、それを読んでくださる皆さんの糧としてもらえればと思います。
まず手始めとして、この記事では私がデータサイエンティストになった理由をお話したいと思います。
データサイエンティストが必要な職場
私の会社は、半導体関連の製造メーカーです。モノづくりが売りの、東証一部上場企業です。
東証一部上場企業ですが、ITやデジタルという面では世の中からかなり遅れていると思います。
社内ネットワークが無線化されたのは2019年から。タブレット端末やクラウドの利用は、話題にものぼっていません。データはセキュリティロックのかかったUSBメモリで移動できますが、USBメモリの持ち出しと返却の際には上司の印鑑が必要です。しかもこれ、社内でたった5分利用するだけでも都度必要なんです。
身近な例を挙げればきりがないのですが、最も重要なのは、モノづくりの現場でのデータ管理が未だに紙、良くてエクセルだということです。
これの何がいけないかというと、蓄積されたデータが新規のアイデアに活かされないということです。
問題が発生した際は、履歴からいつ誰が起こしたのかを特定することは出来ます。しかしデータを活用できず、原因を「作業員の注意不足」「現場での教育不足」にしてしまうのです。これを原因にしてしまうと、対策は指差し確認や二重チェック、再教育を行うこととなり、現場への負担が増すことになってしまいます。
残念ながら私の会社では、このようなことを10年以上前から繰り返し、10年以上前から変わらぬ議論が今なおされているのです。
データサイエンティストになる前の経歴
大学・大学院は情報科学系でした。
在学時はほとんど勉強はしておらず、アルバイトで時間をつぶしました。ちゃんと勉強しておけば良かったと、悔やんでいます。
現在の会社に入社してから、業種が色々変わっています。せっかくなので、時系列に表で書いてみます。また、業種に併せて利用してきたプログラミング言語も掲載しておきます。
№ | 業種 | 年数 | プログミラング |
1 | プログラマ(半導体検査装置の制御) | 1年 | VisualBasic6.0 |
2 | 研究開発(液晶関係) ※社会人研究員として大学へ1年間出向 | 2年 | MATLAB |
3 | Re:プログラマ(半導体検査装置の制御) | 4年 | VisualBasic6.0 VisualBasic.NET |
4 | システムエンジニア ※子会社へ出向 | 3年 | VisualC++ VisualC# |
5 | 研究開発(電池関係) | 6年 | VBA |
経歴の半分がプログラマ・システムエンジニア、残り半分が研究開発です。
そして、№5の「研究開発(電池関係)」を終えたのですが、次のテーマは自分で考えて提案するよう言い渡されました。
テーマは自由に考えて良い代わり、1人でスタートしてもらうという条件付きです。
「体のいい窓際への追いやりか!?」なんて考えましたが、事業部のトップが至る所の会議で私の名前を出しているという噂を聞いたことと、私1人の専用工数が確保されたことから、逆に何かしらを期待されていると感じました。
この「何かしら」とは、モノづくりにこだわらず、会社にとって未知の領域へ一歩踏み出すことへの期待なのかと感じとりました。
データサイエンティストなることで現状の立て直しを選択
他のプロジェクトにソフト屋としてヘルプに入るのが最も楽だろうなと思いますが、本来そういうことはプロジェクト内部の人間がすることです。1メンバーになるようなアプローチはやめようと考えました。
ブログの勉強を兼ねて、部内ポータルサイトの構築を検討しました。部内SNSや掲示板でコミュニケーションの円滑化を図ろうと考えたのです。あれば確かに助かるのですが、会社の将来を支えるものではないと考え、これをテーマにすることはやめました。
今会社に必要なのは、同じ過ちを繰り返さない仕組みづくりだと考えました。ITやデジタル面の遅れを取り戻しつつ、それが出来れば最高ではないか。そこで選択したのが、プロジェクトへのデータサイエンスによるアプローチです。
プロジェクトや事業で抱える課題を解決するためには、多角的に且つ客観的に課題を洗い出す必要があると感じました。また、私が持つスキルを活かすことが出来るというのもポイントでした。
データサイエンティストになって始めること
とは言え、周りにデータサイエンティストはいません。そして、すぐに活動できるほどのスキルも私は持ち合わせていないでしょう。
独学で学習していくため、多くの失敗が待ち構えていることと予想されます。これらを、今後データサイエンティストを目指す人のためにも、軌跡として残していきたいと思います。