ドラマ半沢直樹の中でこのようなセリフがありました。
『部下の手柄は上司のもの。上司の失敗は部下の責任。』
また、ジャイアンの代表的なセリフがこれです。
『お前のものは俺のもの!俺のものは俺のもの!』
ドラマやマンガの世界では、主人公に対する敵対勢力があったほうが盛り上がりますから、このようなキャラクターは必要でしょう。
しかし、現実世界に部下や後輩の手柄を取る人がいたら、ドン引きです。必要のない存在です。そして残念ながら、このような人は必ず会社にいます。
部下や後輩の利益を奪う行為は、自身ならず会社の価値を下げる行為です。失敗をなすりつける行為も同等です。
なぜ部下や後輩の成果を横取りするのか、その心理は?またやられた側の気持ちはどうなのかを確認してみましょう。
上司にやられたからといって、将来自分も部下にやらないようにしましょう。
成果を横取りする上司や先輩の心理
部下や後輩の成果を自分の手柄にする人は、その部下や後輩を全く尊重していません。
「どうせ横取りしても何も言えないだろう」
「何か言われても丸め込んでやる」
「上司の俺がいるから出せた成果なんだ」
舐めているので、平気で成果泥棒を働くのです。
また、部下や後輩の功績を欲する人は、実力に乏しいと言えます。泥棒した成果に対しては、部下や後輩より劣っていることを認めているに等しいでしょう。
それでも、部下や後輩に負けたくないというプライドから、自分の実力以上の地位や評価を得ようとして、成果を横取りしてしまうのです。
何度も繰り返すうちに罪悪感が薄れ、自己肯定に走ってしまうわけです。
しかしこれでは誰も幸せになりません。誰かを幸せに出来ないのは二流です。二流を出世させている会社も二流と言わざるを得なくなります。
二流は一流に嫉妬しますから、部下や後輩が出る杭であった場合、出ないよう打つことばかりに力を入れるようになるかもしれません。
成果を横取りされた部下の心理
成果を出すまでに、部下や後輩は試行錯誤して努力を積み重ねたはずです。例え誰であろうが、成果を取られてしまっては面白くありません。
成果を横取りされた部下は、やる気をなくします。当然ですよね、そのためにがんばってきたわけではありません。
そして、横取りした上司に対して不信感や怒りを覚えます。
「どうして自分の手柄にしてしまったんだろう」
「前もって相談してくれてたら。こっちからは理由を聞きづらいな。」
多くの部下は上司に気を使っていますから、いきなり責め立てるということもやりづらいものです。それでも勇気を振り絞って、理由を尋ねてみることもあるでしょう。
しかし後の祭りですから、今回は我慢して欲しいと逃げられてしまうか、逆ギレされてしまうことでしょう。
言っても言わなくても、信頼関係はすでに崩れつつあるのです。
そして大抵は、雰囲気を悪くしないようにと、部下が我慢をし続けるだけとなります。
成果を横取りしない上司になるために
部下を持つ者は、目先の個人の利益に囚われてはいけません。チームとしての利益を上げてこそ、評価につながります。
チームとして成功するには、メンバーとの信頼関係が第一となります。
信頼関係を損なう成果泥棒は、絶対にやってはいけない行為です。この一度の失敗を改善する手段はないに等しいでしょう。
部下が成果を上げた際には、「私の部下がやりおった!」と自分のことのように素直に喜びましょう。部下が素直に「ありがとうございます」と言えれば良し。
もしも一人の成果だと天狗になりそうであれば、そこは戒めてあげましょう。第一功労者は部下ではありますが、チームあってこその成果であることを部下には理解してもらう必要があります。
緩急をつけることで、チームとしての成果を上げやすくなります。そして、部下が成長し、自身の評価も上がっていくのです。
成果を横取りされないために
成果を横取りされないために、常に脇をしめておきましょう。
1対1のやりとりをせず、仕様書や議事録、メール等の記録を必ず残すようにしましょう。言った言わないの水掛け論は、大抵上司が勝ちます。水掛け論が発生しないよう、記録で話をする必要があります。
横取りしようとしている人は、常にセンサーを張り巡らせ、あなたの成果物を見定めています。最終的なアウトプットも当然ですが、途中経過の報告にも注意を払いましょう。
自分の身は、自分で守るしかありません。
また上司が素直にほめてくれた際には、「上司の助力があってこそです」と言えると、今後もより良い関係を築くことが出来るでしょう。
上司に成果を横取りされた体験談
私は上司に対して、「部内サイトを構築して業務の効率化を図りたい。来週から着手させて欲しい。」と提案したことがあります。上司は「いいね、是非やってくれ。」と言ってきました。
しかしその話を聞いた直後にその上司は、部内サイトの構築を他の人に依頼するということをしました。私には一言もなく、私が提案した仕様をそのまま横流しをしてしまったのです。
上司に対してなぜそのようなことをするのか問い詰めましたが、悪びれた様子もなく「もし困ったらあなたにも聞くから。また別にやりたいことがあったら教えてね。」と言ってきました。
上司との信頼関係は崩れました。それからはその上司と1対1で相談することをやめました。
多くの人が、このような無駄なやりとりで悩むことがないよう、是非うまく立ち回ってもらいたいと思います。また上司の立場になった際も、部下に寄り添った上司であって欲しいと願います。